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自分が望むことに近づくための手段としてのSST

2021.7.17

SSTは、精神科領域では一般的によく行なわれているリハビリテーションプログラムのうちの1つで、『社会生活スキルトレーニング』と邦訳されます。

SSTは、対人的なやり取りのスキルを向上させるべく練習していくものです。

精神科デイケア“アミーゴ”では、『基本訓練モデル』という形式のSSTが毎週2グループ行なわれています。

 

SSTでは、その人自身が実現させたい希望をベースとして、その希望の実現のために必要な対人的なやり取りのスキルを目標として設定し、計画的に練習していくことになります。

 

木村さん(仮名)は、前回クールから新たにSSTへ本参加となったメンバーです。

木村さんは、スタッフが話しかけるとにこやかに応答するところが従来から見られており、話し好きな印象がある一方で、活動中ひとりで何もせず座っていることも多くありました。

木村さんはきっかけさえあれば、木村さんがおそらく好きである会話をもっと多く行なって過ごせるようになるだろう、というスタッフ側の見立てがあり、スタッフが木村さんをSSTに誘い、参加に至りました。

 

木村さんは真面目なところがあり、SSTのグループの場では用語などをメモして覚えていました。話しかけのための「話題がない」とかつてはおっしゃっていましたが、グループの場で練習したスキルを実生活で多くの人に対して使ってくることを毎週行ない、自身の使える話題を増やすべく取り組んできました。

 

アミーゴのSSTでは、10週行なったらそれまでの目標の振り返りと、新たな目標設定のための面接を設けています。

先日、木村さんの面接が行なわれました。

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10セッションを経ての感想をスタッフが尋ねたところ、「いい勉強させてもらいました」と話し、加えて他のメンバーのスキルの使い方が上手いということについても言及し、それを見て学んだところもある、と謙虚におっしゃっていました。

以前は、話をしているのも好きだけど何もせずにボーっとしている時間も好き、とおっしゃっていましたが、次クールは従来何もせずにボーっとしていた時間にも他者への話しかけを試みることで合意となりました。

木村さんが真面目で謙虚に行なうところが実を結んで、好きな会話を楽しむ機会を木村さん自身が増やしていくお手伝いができれば、という思いをスタッフは新たにしました。

 

精神科デイケア“アミーゴ”スタッフ


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