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秋は各種学会の大会が行なわれるシーズンですが、最近の学会の大会には、通所しているメンバーのうち大会の内容に興味をお持ちの方にも、参加していただいています。
幸い現在は学会がWEB開催されることが多いので、デイケアの開所日に大会が開催されると、遠い場所で行なわれる大会にも参加できます。
先日は、日本デイケア学会の年次大会が開催され、うち土曜開催分を、私(スタッフ)とメンバーのうち希望の方たちで視聴しました。
視聴したうちのひとりであるHさんについてです。
当院のデイケアのプログラムには、メンバーが主体で企画・運営をするプログラムがあり、そのプログラムの選定においては、皆の前でメンバー自身が開催したいプログラムをプレゼンテーションし、メンバー間投票で得票を得たプログラムのみが採用される、というシステムとなっています。
Hさんは、頻繁にプレゼンテーションをしていますが、その採用にまでは至らないことが大半です。
ただ、その意欲は感じるので、デイケア学会の大会を視聴し、他のデイケアでどのようなプログラムがどのような形式で行なわれているのかを知れば、Hさんの今後のプレゼンテーションにも役立つのではないかとスタッフが考え、Hさんに大会の視聴を持ちかけたところ、Hさんは意欲を持って参加を希望しました。
Hさんが最も関心を持って視聴していたのが、『デイケアダンス大会』でした。
各医療機関のデイケア通所メンバーがダンスをした動画が投稿され、そのうち優秀とされた作品が数作品表彰されて放映される、という形式でした。
最優秀作品に選ばれた“かもめ”は、5人のメンバーでオリジナルの振り付けでダンスしている作品でしたが、5人全てに焦点を当てている振り付けで、見事な作品でした。メンバー皆で振り付けした、とのことです。
Hさんも「初めて聴いた曲だけど、リズムが良かったし、動きも良かった」と、そのダンスが最も印象に残ったとのことでした。
一方で、自身が当院のデイケアのプログラムとして、ダンスをプレゼンテーションするとしたら、今回の視聴がそのヒントになったかどうかについては、「採用されるにはなかなか大変かな」というところまでで、まだヒントはつかめていないようでした。
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大会を視聴したもうひとりのFさんについてです。
Fさんは、学会の大会のようなものには関心を持っていて、先日のSST普及協会のワークショップも希望して視聴しましたが、今回の大会もスタッフから話を持ちかけると、視聴を希望なさいました。
Fさんが最も印象に残ったのは、『ピアスタッフ意見交換会』だったとのことでした。
“ピアスタッフ”というのは、“ピア”(精神疾患を持つ当事者としての“仲間”)として、スタッフ的な役割を持って他の当事者と関わる仕事をしている人のことです。
この意見交換会では、2人のピアスタッフの方がスピーチをしつつ、司会の医師とのやり取りも交えつつ、その方々の“リカバリーストーリー”を語って視聴者に伝えていく、という形式でした。
視聴後Fさんは、「ピアスタッフの2人が『変われた』と言っていたのがすごく印象に残った。自分も結婚した後に周りから『変わった』と言われた。自分が変わる前と変わった後と、どう違うのかな、とずっと考えてた。この2人も変わる前と変わった後でどう変化が出たのか興味がある」と語りました。
従来からFさんは“ピア”に関心を持っており、「ピアサポートグループをアミーゴでできない?」と私に話をしたこともありましたが、“ピア”(仲間)の力に魅力を感じていて、それが“変化”にもつながると感じているからこそ、このような学会の大会のような内容にも関心を持つところがあるのかな、と私は想像しました。
大会を視聴して、Hさん・Fさんのそれぞれ感じたものは異なるでしょうが、ここで見聞きした内容が、今後のHさん・Fさんのリカバリーの糧となるものであったとしたらいいな、と私は願っています。
精神科デイケア“アミーゴ” スタッフ
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