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精神科デイケア“アミーゴ”には、『メンバー企画お楽しみレク』というプログラムがイレギュラーで開催されています。
メンバーが主となって企画・進行を行なうレクリエーションプログラムです。
先日、メンバー企画お楽しみレクとして、『ランキング紅白』というレクリエーションが行なわれました。
紅白歌合戦2022で実際に放送された52曲の中から、くじでランダムで6曲を抽出し、その6曲に投票をして、投票の結果により2曲のみが放映され、それらを皆で視聴する、という形式です。
ただ、6曲へ投票する前に、指定の順位が予めくじで決められ、その後の投票でその順位になった曲が放映されるという形式となっています。
例えば、くじで3位と4位の札が事前に引かれた場合は、その後の投票で得票数3位と4位の曲のみが放映されます。
すなわち、単純に見たい曲に投票するのではなく、他者の動向を探りつつ、考えて投票する必要があり、そこにレクリエーション要素があります。
このレクは元々はスタッフ企画で行なったものでしたが、メンバーの小関さんがメンバー企画お楽しみレクでもやってみたい、と立候補し、今回の実施となりました。
小関さんが他の2人のメンバーに打診し、3人で企画・運営をすることとなりました。
事前に打ち合わせも行なっていました。
全52曲の札は、くじで引かれた時に速やかに探せるように、予め並べました。
レク本番が開始され、最初にくじで引かれた6曲です。
最初の6曲のターンは、スタッフが以前行なった形式とは異なり、投票の上位2曲を自動的に放映するという形式での実施となりました。
共同企画のメンバーの要望を、主企画者の小関さんが取り入れたことによります。
投票の結果、MISIAと山内惠介の放映が決定!
ここでハプニングが起きました。
レコーダー操作で曲の頭出しが上手くいかず、時間をかなり要しました。
それにより、フロアや共同企画のメンバーから、『このままだとかなり時間がかかるので、この後は挙手で多かった上位2曲を単純に放映すればいいのでは』という意見が出て、小関さんはその意見を取り入れ、以降は投票はせず挙手の数の多かった上位2曲を放映する、という形式に変更し、同形式でレクは終始進みました。
レコーダー操作担当のメンバーも後に行けば行くほど慣れてきて、曲の頭出しに要する時間は短くなり、テンポが上がっていきました。
そして、レクは終了しました。
レクの終了後に、元々このレクを企画したスタッフから、企画・運営に携わった3人のメンバーにインタビューしました。
その中で、主企画者の小関さんから、「自分で描いていた実施形式があったが、自分がそれをレク本番の場で上手く主張できず、異なる形式での実施となってしまった」ことが語られました。また、3人のインタビューを総合すると、3人それぞれがいろいろ考えていたことがあったとわかりました。
打ち合わせは3人でしていましたが、どうやら3人が一致団結して本番に臨むところまでのレク形式の理解にまでは至っていない状態での本番となっていたようで、<3人がレクの意味をよく理解し、同じ方向を向いて実施するという一致をするところまで至れていると、いざフロアのメンバーから異なる提案が出ても、「私たちはこういう狙いでこういう形式でやろうと思っているので、私たちが考えた形式でちょっとやってみましょうよ」という主張ができるのでは>とスタッフから小関さんにアドバイスしました。
スタッフが主となり日頃のレクを実施する場合も、主となるスタッフが企画書を上げ、それをスタッフ皆で事前に共有し、副となるスタッフからは質問や提案をした上で、本番のレクを実施しています。
事前にレクの内容の理解をスタッフそれぞれがし、スタッフ皆が同じ方向へ向かってレクの運営をするよう心がけています。
ただ一方で、デイケアにおけるあらゆる支援において、スタッフ間で支援の理解や方針の一致が図られているわけではないなと、私は小関さんにアドバイスしながら、思うところもありました。
例えば、メンバー全員に支援計画を立てていますが、その支援計画を立てたスタッフと当該メンバー自身のみが把握している、というケースが大半です。
今回のレクを担当した3人のメンバーにとっても、我々スタッフにとっても、チームでやり取りしながら何かを作り上げていくことは今後の人生において必ずついて回ることであり、その中で互いに成長していけたらなと感じた、今回のレクでした。
精神科デイケア“アミーゴ”スタッフ
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