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ソフトバレーボール県大会 ~具体的な経験をし、それを元にして希望を抱くこと~

2023.12.15

先日、千葉市の千葉ポートアリーナにて、ソフトバレーボールの県大会が行われました。

精神科に関係のある、病院デイケア・作業所等の施設・クラブチームが出場する大会で、コロナ禍前は毎年県内から10チーム以上が出場していました。当院精神科デイケア“アミーゴ”も毎年出場していました。

アミーゴもかつては、県大会や関東大会という目標に向けて、個人のスキル・チーム力の向上を目指し、力を入れてソフトバレーボールを行なってきました。

しかし、その後コロナ禍となり、大会が中止になった年を経て、大会が再開されましたが、出場チームが激減しました。“アミーゴ”チームもコロナ禍以降、出場していません。

その間に、アミーゴにおけるスポーツプログラム“スポ魂”も、かつての県大会を知っているメンバーはごくわずかな人数となり、県大会を知らないメンバーがほとんど、という構成となっています。

“スポ魂”ではかつては毎週ソフトバレーボールを行なってきたのが、最近はソフトバレーボールとバドミントンを1週ごとに行なっており、とにかく県大会や関東大会が目標!となっていた以前とは、プログラムの色が変わってきています。

かつて“スポ魂”を担当していたスタッフも入れ替わり、そのひとりである私もほぼ参加しなくなりました。

ただ、かつて参加していたソフトバレーボールの大会はどのようなものなのか、新たなメンバーとスタッフで見に行ってみよう、ということとなり、現在参加しているスポ魂メンバー・スタッフで観戦に行くこととなりました。

 

川島さん(仮名)は、現在スポ魂プログラムに毎回参加しているメンバーの中では唯一、ソフトバレーボールの県大会に出場した過去があります。

現在川島さんがソフトバレーボールにおいては中心的な役割を担っているとの、毎回参加しているスタッフからの話があり、<今回の大会の観戦に行った感想をブログ記事にしたい、文章を書いていただけないか>と私から川島さんに依頼したところ、引き受けていただけました。

以下、その文章です。

 

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12/7にデイケアのスポ魂プログラム参加メンバーとスタッフで、千葉県障害者ソフトバレー大会を見に行きました。

行先は千葉ポートアリーナです。

現地に到着すると、もう試合が行なわれていました。

“千葉ユニオンズ”と赤いユニフォームを着たチームとの試合でした。

s-IMG_4107

圧倒的に千葉ユニオンズの方が強かったです。

とあるチームに、うちのデイケアで活動していたテルさんが偶然にもいたので、ちょっとだけ観客席から挨拶しました。

テルさんのチームと千葉ユニオンズの試合は、サーブをちゃんとレシーブし、時にはスパイクを交えてラリーが続いていて、試合として面白かったです。

s-IMG_4124

惜しくもテルさんのチームは負けてしまいました。

全国大会は千葉ユニオンズが出場するのだと思います。

 

一方で、出場チームの中には、サーブのレシーブが上手くできずにサーブだけで点を入れられてしまうチームもありました。

我々のスポ魂でのバレーもそれに近い状態ですが、それでも練習すれば勝てる相手も、中にはあるかもしれないと思いました。

と思いつつ、帰りのバスの中で、これからのスポ魂をどうするかの話になりましたが、大半の人が『試合に出てみたい』と語り、嬉しかったです。

来年からスポ魂は、バドミントンをやめて、ソフトバレーに絞って練習することになりました。

千葉ユニオンズみたいな強豪には勝てなくても、他のチームに1勝でもすれば、チームとして自信がつくと思います。

まずはそれを目標にしてみるといいと思います。

私は十数年前にデイケアに在籍しており大会に出たことがあります。

その時は銚子のチームと戦って負けた記憶があります。

あの時からかなりのブランクがありますが、練習して勝ってみたいという気持ちが芽生えました。

それだけでも今回の大会の見学は見に行ってよかったと思います。

 

というわけで、アミーゴスポ魂チームはソフトバレーをやってみたいと思っている方を募集中です。

 

川島

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大会の観戦に行くという具体的な経験をしたことで、「大会出場に向けてソフトバレーボールをやっていきたい」という希望が、メンバー各人に芽生えました。

以前、アミーゴのプログラムで作業所の見学に行った後も、作業所への通所を始めるメンバーが現れました。

具体的な経験をすることで、想像上だったイメージが目に見える形となり、その先の“希望”を抱きやすくなる、というのはありますが、作業所通所や県大会参加はそれにあてはまるでしょう。

 

症状の激しい急性期を抜けた後の精神科のリハビリテーションでは、“希望を取り戻す”こと、“新たな希望を持つ”こと、そのために自分にとって必要なことをしていくこと、というのが1つの軸となります。

 

川島さんにも、「まず1勝を目標にしたい」「練習して勝ってみたい」という希望が生まれ、他のメンバーにも「試合に出てみたい」という希望が生まれました。

リハビリテーションとしては、“希望を取り戻す”こと、“新たな希望を持つ”こと、ということのスタートラインに立ったと言えるでしょう。

 

具体的な経験により希望を抱くに至った、スポ魂ソフトバレーボールチームの今後の展開が私も楽しみとなりました。

 

精神科デイケア“アミーゴ”スタッフ


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