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精神科デイケア“アミーゴ”では、『Video上映会』というプログラムがあります。
これまでの上映会では、映画、テレビ番組を録画したもの、コンサートなどが上映されてきました。
上映会で上映する作品を決めるのが、『Videoプレゼン会』というプログラムで、自身が見たい作品や皆に見て欲しい作品の良さを皆にアピールすること(プレゼンテーション)により、投票の結果得票数が上位だった3作品が上映される、という形式となっています。
先日の『Videoプレゼン会』で3位の得票で上映決定となった『ONE PIECE FILM RED』をプレゼンテーションしたルフィさん(仮名)にスタッフが後日、プレゼンテーションについてインタビューしました。
<プレゼンをした感想としては>
「プレゼン相談会での内藤さん(仮名)がやっていたやり方を取り入れて、フロアへの呼びかけを多めにしてやってみた。「好きなキャラクターいますか?」と尋ねるとか、「自分はこのキャラクターが好き」と伝えるとか。それでみんながのってくれたら、「そのキャラのどういうところがいいんですか?」と投げかける方向へ進めよう、と思い描いていた」
『プレゼン相談会』は、『Videoプレゼン会』の2週前に行なわれたプログラムで、本番のプレゼンをしたいと考えている方が、自身のプレゼンの内容をより良くするための相談をできるプログラムとなっています。
その時にアドバイザーとして参加していたのが内藤さんで、相談者側として参加していたのがルフィさんでした。
プレゼン相談会でルフィさんは自身のプレゼンのデモンストレーションを行ないましたが、用意したプリントを読み上げるのみで、聴いていた私は少なくとも、内容が頭に入らないプレゼン形式となっていました。
<相談会ではプリントを読み上げるだけだったが、本番では様変わりした>
「相談会での内藤さんのやり方がよかったから取り入れた。フロアへの投げかけの中でプレゼンを展開していくのができると思った」
「プレゼンの最中もめげずにやることが重要だと思う。フロアに投げかけたこの質問は反応悪くてダメだな、と思っても、他の質問にしたりとか」
「プレゼンを長引かせないように時間を計算したりした。長くなってずっと同じ話を聴かされていると、投票する人たちの評価が悪くなるだろうと」
「みんなのニーズにも合わせてプレゼンしている」
「全てのプレゼンが出揃った後の投票の時、自分のプレゼンを思い出してもらうために資料を貼った。A4用紙だと何枚か貼れるので、A3よりよいと考えた」
(ルフィさんが用意した資料)
<Videoプレゼン会では毎回プレゼンをしているが、それはなぜか>
「見たい作品があるから。採用されたらタダで見られる。自分が見たい作品を毎回プレゼンしている」
「あとは、プレゼンの評価もつくというのもある」
<プレゼンをして採用されることでの達成感?>
「それはあります」
<最後の質問だが、プレゼンの準備をし、本番のプレゼンをし、最終的に採用に至るという、努力が結果に結び付くという感覚はある?>
「それはある。やれることについて工夫して取り入れて、やれるようになる、というのは、作業所でも体験している」
Videoプレゼン会をプログラムとして実施しているスタッフ側の狙いは、【努力や工夫や試行錯誤の結果として、自身の希望の実現に至ることができる】ということを体験してもらう、というものです。
その点、ルフィさんは何週間も前から当日まで、プレゼンの下準備をしてプレゼン本番に臨みました。ルフィさんの行動と結果は、このプログラムの最も重要なポイントを体現していました。ルフィさんのこれからの人生の中でもこの経験が生かされていったら嬉しいな、と感じた、今回のVideoプレゼン会でした。
精神科デイケア“アミーゴ”スタッフ
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