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精神科リハビリテーションと支援

2025.3.8

精神科デイケア“アミーゴ”では様々なプログラムが行なわれていますが、先日、『ミッションゲーム』というレクリエーションプログラムが行なわれました。

 

5~6人でチームを組み、各ミッションごとにチームメンバー全員が参加する形でミッションクリアをしていき、ワードの獲得を目指す、という形式でした。

s-IMG_3599

これは1つ目のワードを獲得したところです。

合計3つのワードの獲得を目指します。

 

多くのミッションがありましたが、私が印象的だったのは“缶積み”でした。

このミッションでは、スタッフの背よりも高く缶を積み上げることがクリア条件となっています。

そして、チームメンバーがひとりずつ順番に積んでいかなければならない、というルールがあります。s-IMG_3626

こんな感じで積んでいきますが、クリアにはこの倍くらいの高さが必要となります。

私の付いていたAチームは、クリアに近いくらいの高さまでは積めますが、あと少しのところで崩れてしまう、ということが数回続きました。

私は、タワーの下の方ですでに斜めになっている箇所があることに気づいていました。

スタッフ間の事前打ち合わせで、主企画のスタッフから「メンバーに達成感を味わってもらうことが目的」と説明があり、そのために「チームに付いているスタッフは基本的には見守りだが、場合によっては適度にメンバーに助言をしてください」とも周知がありました。

崩れることが数回続き、その原因がタワー下部の歪みにあるとわかっている私は、そこで助言をすればよいのかどうか思案します。

そのうちに、下部の歪みに気づいたメンバー、崩れそうなタワーの下部を支える2人のメンバー、そのうちに歪みを修正するメンバー、と現れてきました。

それが功を奏し、見事にミッションクリアに至り、チームメンバーと私の皆で拍手をし、大きな達成感を得ました。

 

この缶積みをしながら、これは精神科リハビリテーションの象徴のようだな、と私は感じていました。

目標に向かって試行錯誤して行動すること、その中で仲間(ピア)で協力し合うこと、最終的に目標に達すること、という点においてです。

その中では、時にスタッフの支援を適切に入れることが必要な場合もありますが、支援の中でスタッフが手を出し過ぎると、メンバーは自分(たち)の力で目標に達することができた、という感覚が弱くなってしまい、下手をすると“スタッフ依存”を生むこともあります。

そこでどのようなバランスで支援するかについては、その瞬間瞬間にライブでアセスメントしながら判断→実行の選択をする必要があり、その判断には難しいところがあると私はいつまで経っても感じるところがあります。

今回はメンバーのみの力でクリアに至りましたが、何度も失敗を重ねていると諦めに至る可能性もあり、そこでは今回のように見守りに終始するのではなく、適切な助言をする必要があるでしょう。

支援に明確に1つに定まる答えはなく、スタッフもその判断に都度悩みますが、メンバーも目標に至るための道筋は1つに定まってはおらず、その中で試行錯誤しつつ進んでいくものでもあり、そう考えると、メンバーもスタッフも共に試行錯誤しつつ前進していくことこそがリハビリテーションとも言えるかな、と思った今回のレクリエーションでした。

 

精神科デイケア“アミーゴ”スタッフ


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